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2019.02.10
フィンテックと創業時の融資・会計

フィンテックと創業時の融資・会計

フィンテックとは、

Finance(金融)とTechnology(技術)

を組み合わせた造語です。

フィンテックと一口に言っても、

「決済」「経営・会計」

「個人資産管理」「暗号通貨」

「融資」「投資」

と多岐にわたりますが、

今回は創業時の融資・会計に限り

話をすすめたいと思います。

フィンテックと「経営・会計」

フィンテックにより、

融資では、人工知能が

さまざまなデータを集め、

企業の財務状況を判断します。

その結果、従来、人によって

行われていた融資審査が

短い時間で行われることが予測されます。

会計では、クラウド会計により

銀行口座やクレジットカードなどの

データの取り込みを

パソコンで行えるようになり、

仕訳が簡単になります。

ただし、

こうした利便性を実感できるのは、

創業後、ある程度の規模まで

事業が拡大してからだと思います。

フィンテックと創業時の融資・会計

創業時は、

データがあるとしたらCICくらいで

売上に関するデータ等の蓄積が少なく、

人工知能による融資審査は

難しいのではないでしょうか?

実績がないなかでは、

日本政策金融公庫の担当者による

創業融資の審査が

当面はポピュラーなものであり続けると

考えられます。

創業融資の際に提出する

創業計画書は、

創業者の過去の経歴や人脈、

立地条件等に基づく

予測売上を記載します。

あくまで予測であり、

過去に金融機関等に蓄積されたデータでないため

オンライン融資は急速に進まないと思われます。

また、会計においても

新たに事業を始める方の場合、

クラウド会計のメリットは

少ないと思われます。

クラウド会計のメリットのひとつは

リアルタイムで数字が見える点ですが、

年商が1億円未満の事業者の多くは

業績がいいのか、わるいのかは、

数字で確認しなくても

直感的にわかるようです。

リアルタイムに数字が見たい場合は、

会計事務所に試算表を

急いでつくらせてもいいでしょう。

またTKCのある調査によると、

中小企業のうち

クラウド上で自動集計できる預金取引は、

全取引の4割に過ぎないという

データもあります。

キャッシュレスが進むと

今後は預金取引の割合が高まり、

クラウドの利便性は高まるかもしれませんが、

創業時においては

取引の数が少なく、

業種によっては、

現金により

小口の経費をたくさん支払っていることから、

クラウド会計を入れても

さほど入力の手間が大きく減るわけでも

ないと考えられます。

フィンテックの利便性は、

将来的にオンライン融資や

キャッシュレスが進むと、

多くの中小企業に

融資の審査期間や仕訳入力といった面で

時間の短縮をもたらすでしょう。

しかし、時間の短縮の前提として

売上などの財務データが過去何年も蓄積され、

預金取引の数が月間200を超える

くらいのボリュームが必要となります。

創業時は、そこまでのボリュームがないことから

当面は、

融資に関しては、専門家や公庫担当者と相談し、

会計に関しては、記帳代行を活用したほうが

いいかもしれません。

 

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