平成になってインターネットが普及し
本によって情報を集めるのは
昭和っぽい感じもしますが
元号が令和になっても本の重要性は
変わらないと思います。
ジャンルは、3つです。
ひとつは、仕事に直接、役立つもの。
ひとつは、会計・税務・経営に関するもの。
ひとつは、人文系の書物です。
起業したあとも
専門学校に通い、専門書を読みこんで
新たに資格を取ったりするかたもいますし、
美容室などでは、
待合のお客様が読むための雑誌を
定期的に購入することもあります。
専門知識を増やすためにせよ、
接客のためにせよ、
仕事に直接、役立てるための本は
元号が変わっても必須と言えます。
以前、ある製造業の会社の本棚に
「月刊経理ウーマン」が置いてあって感心しました。
こうした月刊誌まで取らなくてもいいのですが、
経理や節税、経営計画や経営分析に関する本が
数冊あると、関与している税理士と話が弾みます。
ある歯科医の先生は、
粗利益と経常利益の区別もつかないと
おっしゃっていましたが、
こうした本を手元に置き、
決算書がある程度読めるだけでも
節税や資金繰りの改善の糸口が見えてくると思います。
元号が明治から大正、
昭和、平成、令和と
変わっても、仕事をするのは人間なので
人文系の書物を読むと
人間に対する洞察力に磨きがかかります。
経営者向けの人文系の書物というと、
司馬遼太郎の「坂の上の雲」
塩野七生の「ローマ人の物語」
ドラッカーの「マネジメント」
といったところが王道かと思います。
中小企業の経営者のかたと話していると
人文系でも純文学や哲学は
あまり読まれていないようです。
とりわけ司馬遼太郎の作品には、
明治を描いたものが多く
現代との価値観の違いや
日本史の連続性といったことに
思いを深くできることから
最初のとっかかりは、
歴史小説あたりがいいのかもしれません。
最後に本ではありませんが、
日本政策金融公庫の「創業の手引」や
総務省の「家計調査年報」といった
公的な機関がインターネットに
公開している資料もおすすめです。
仕事にヒントをあたえるであろう
統計などが掲載されており、
創業計画書の作成などにも役に立ちます。
平成になって廃刊する雑誌も目立ち
本の地位は低下しつつありますが、
本はインターネットと異なり
作者と読者の間に編集者が入り
情報の精度が保たれているメディアです。
令和という新元号には
万葉集に習い古くていいものを大事にし、
新しい日本を切り開くという思いもあると思います。
そうした意味では
令和時代を生き抜く起業家にとって
こうした本という古いメディアと
ネットという新しいメディアの双方を
駆使してゆくべきではないでしょうか?