ときどき「資本金0円で合同会社、つくれますか?」
といったようなご質問をいただきます。
合同会社を設立するのに
お金をかけたくないと考えている人は
たくさんいるのではないでしょうか?
平成18年(2006年)5月に施行された会社法によって
最低資本金制度が廃止されたため
資本金0円でも合同会社の設立は可能です。
しかし、司法書士や行政書士に設立を依頼する場合
設立にかかる手数料がかかるなど
資本金を0円にしたところで
設立費用はそれなりにかかることは変わりません。
ここから合同会社の資本金0円設立が現実的ではない
5つの理由を簡潔に述べてゆきます。
建設業などは資本金0円で合同会社を設立しても意味がないでしょう。
一般建設業の資本金(自己資金)要件は500万円です。
許認可のなかでも資本金(自己資金)要件の低いものでも
地域限定旅行業が100万円となっています。
資本金0円の合同会社では
日本政策金融公庫の創業融資も
埼玉県の中小企業制度融資も
自己資金要件にひっかかり
使えないと考えてよいと思います。
合同会社設立時には
運転資金として人件費や家賃、広告費など
設備資金として店舗の改装費や車両、機械など
の支出がたくさん出ます。
これらの支出にあてるのが資本金です。
それが0ではまずいです。
世の中には資本金が100万円未満だと
「小さいな」と感じる人もいます。
資本金は決算書にのります。
決算書を見せたときに、合同会社の資本金が0円で
「小さいな」と思われると
信用力に傷がつきます。
総務省の平成26年経済センサス基礎調査によると
資本金階級が300万円未満は6.2%
300万円以上500万円未満は34.6%
500万円以上1000万円未満は12.9%
1000万円以上3000万円未満は33.0%
と300万円以上3000万円未満に8割が集中しています。
合同会社の資本金0円だと明らかに平均からずれると考えられます。
合同会社をお金をかけずに設立するとしたら
設立段階で販売先や仕入先、外注先などが決定しており
設立と同時に事業が軌道に乗るくらいでないと
厳しいのではないでしょうか?
あくまで個々の事情によりますが
設立段階で販売先が確保されていないと
支出だけがかさんでゆくことから
資本金は運転資金の数か月分くらいは
あったほうがいいのかもしれません。