これから居酒屋を開業したい。
と思う方のなかには
失敗するリスクが気にかかるかたもいると思います。
居酒屋開業の手続き、経理、融資等について
開業の失敗事例など含め、ご紹介します。
目次
・居酒屋業界の現状
・居酒屋開業に必要な手続き
・居酒屋開業前の売上予測
・居酒屋開業は個人と法人のどっちがいい?
①創業手続
②信用
③税金
④社会保険
・居酒屋開業の経理
①現金と預金の管理
②売上の管理
③食材の管理
④人件費
⑤消費税
・居酒屋の開業で失敗したケース
①「オーナーが税金を滞納し、創業融資の失敗」
②「家賃が高いが、周囲は競合に囲まれ、駅から遠い」
③「料理のプロからは高い評価、しかし・・・」
④「オーナーは建設会社の社長」
⑤「物件の契約ができず、創業融資の断念」
・居酒屋の開業で失敗しないために
・居酒屋開業にあたり創業融資の流れ
居酒屋業界の現状としては
近年、若年層のアルコール離れや
自宅で安く飲む人たちが増えたことなどの
影響を受け、厳しくなりつつあります。
居酒屋業界の過当競争のなか
「スタンド居酒屋」「立ち飲み居酒屋」など
小規模ながら特徴を活かした
新しいスタイルの居酒屋が登場するなど
居酒屋業界のなかで模索が続いているようです。
居酒屋開業に必要な手続きは
・飲食店の営業認可申請(地域の保健所)
・食品衛生責任者の資格(地域の保健所)
・深夜酒類提供飲食店開業の届出(地域の警察署・保安係)
といった許認可関係を処理しつつ
立地、資金調達、メニュー開発
税務署等への開業届の提出といったことを
計画的に行う必要があります。
流れとしては
立地やメニュー等の決定
↓
資金調達や許認可等の各種手続き
↓
広告宣伝
↓
居酒屋のオープン
といったところとなります。
居酒屋開業前にしておきたいのは
売上予測です。
居酒屋開業に際し
客単価×座席数×回転数×日数
により売上予測をしておきましょう。
売上予測ですが
立地を決めたうえで
座席数や客層、客単価
営業時間などを総合的に考慮して
開業に臨みましょう。
居酒屋開業にあたって個人と法人の
どちらがいいのでしょうか?
居酒屋開業にあたり
許認可等をクリアする必要がありますが
個人の場合、税務署に開業届を出すくらいです。
法人の場合
設立登記等などで時間と費用がかかります。
なお、一般に合同会社のほうが格安です。
一般に法人のほうが個人より
すぐれていると言えますが
居酒屋の場合
顧客は一般個人なので
開業の段階で
信用力で大きな差が生じることは
少ないと言えます。
個人で居酒屋を開業すれば
事業所得となります。
事業所得が大きくなれば
法人化したほうが節税になります。
消費税のことも考えると
個人で居酒屋を何年かやって
法人化すると
免税期間が長くなることもあります。
法人の場合は社会保険は強制加入です。
個人の場合よりも
社会保険の負担は増えます。
一般に法人にすると
法人税の負担は所得税の負担より軽減されますが
社会保険の負担は個人より増えることもあるので
ご注意下さい。
居酒屋開業の経理にあたっては
いくつか留意する点があります。
居酒屋で雇われていた時は
それほど意識しなかった点かもしれませんが
開業にあたって確認しておきましょう。
キャッシュレスが進んでいるとはいえ
居酒屋は典型的な現金取引業です。
日々の現金残高を出納帳に記録し
売上専用の口座なども開設しておきましょう。
居酒屋開業にあたり
売上の管理は重要となります。
売上に関しては
未回収分も決算で収益として
計上することもあるのでご注意ください。
居酒屋の開業にあたり
期末に残った食材も決算書に計上する
必要があります。
個人的に飲食した食材分に関しては
売上扱いとなりますのでご注意ください。
居酒屋開業にあたり
人件費の管理も重要となります。
パートタイマーの
源泉所得税の徴収の有無など
は賃金台帳等で
管理しましょう。
居酒屋を開業して
売上が1000万円を超えたら
2年後に消費税を納めることとなります。
その場合
簡易課税を選択するほうが有利なら
事前に簡易課税制度選択届出書を
出す必要があるのでご注意ください。
居酒屋の開業で失敗したケースのなかには
料理がまずいというものは
基本的に含まれないようです。
居酒屋の開業を成功させるには
納税をきちんとしているなど、
料理以外の要素が強いようです。
これまでの料理人としての経験を活かし
日本政策金融公庫の創業融資を受けようとしたものの
オーナーが税金を滞納していることが発覚。
そのため、創業融資は受けられず
開業に失敗してしまいました。
居抜き物件で開業したものの
家賃が高い割に、周囲は飲食店だらけの繁華街。
駅から長い坂道をずっと登らなければ
店にたどりつけないという状況。
家賃の高さに対応するだけの売上が上がらず
開業後2年連続で赤字を出してしまいました。
刺身を食べた他の料理人からは
その腕を絶賛されるものの
インターネットの口コミでは
オーナーの接客態度が悪いと書かれたりしました。
料理の腕がよくても
腕自慢が災いし
素人であるお客様に接客の態度がよくないと
リピーターがつかないようです。
オーナーは建設会社の社長でしたが
料理好きが高じて居酒屋の開業に。
店の切り盛りはシェフが行っていましたが
オーナーに居酒屋の経営の経験がなく
開業後、半年で閉店してしまいました。
居酒屋の経営未経験の方は
ご注意ください。
創業計画書は完璧。
居酒屋の勤務経験も申し分なしだったものの
物件の契約ができず
日本政策金融公庫の創業融資を断念してしまいました。
物件の契約のめどが立たず
開業に失敗するケースはたくさんあるので
まずはこの点を最優先しましょう。
上記の失敗事例から
居酒屋の開業で失敗しないための経験則としては
・オーナーが税金を滞納しない
・適正な家賃の物件を早めに確保する
・料理の腕だけで満足しない
・店の運営を他人に任せきりにしない
といったことが必要かと思います。
居酒屋開業にあたり
創業融資を受けるには
日本政策金融公庫に電話して
創業計画書などを作成し
面談して融資を受けるか
当事務所にご相談のうえ
創業計画書の代行などを
ご依頼いただいたうえ
面談して融資を受けるか
など、さまざまな方法があります。
居酒屋の開業資金の融資のご相談は
無料で受け付けていますので
お気軽にお問い合わせください。