起業したら平均で何年くらい
もつのでしょうか?
企業生存率には
さまざまあるようで一概に言えませんが
中小企業白書(2017年)と
日本政策金融公庫の「新規開業パネル調査」(2011年)
の二つには
起業後の5年生存率が約8割と出ています。
中小企業白書(2017年)によると
起業後の5年生存率は下記のようになります。
日本:81.7%
米国:48.9%
フランス:44.5%
英国:42.3%
ドイツ:40.2%
この起業後の5年生存率は各国の開廃業率と
無縁ではなさそうです。
日本:開業率5%前後、廃業率4%前後
米国:開業率10%前後、廃業率10%前後
フランス:開業率10%前後、廃業率7%前後
英国:開業率10%前後、廃業率10%前後
ドイツ:開業率7%前後、廃業率7%前後
日本と米国、英国を比較すると
米国、英国は開業率、廃業率ともに
日本の2倍となっているものの
5年後の生存率は日本の半分ほどとなっていることから
開業しやすい分、廃業もしやすいと言えそうです。
もっとも開廃業に関しては
業種によっても異なります。
日本でも飲食店などは
開業率が10%前後、廃業率が7%前後と
平均を大きく上回ります。
開業率、廃業率が5年生存率のすべてを
決めるというわけではありませんが
開業率、廃業率が低い国や業種ほど
起業後、生き残る確率が高いようです。
次に日本政策金融公庫の
「新規開業パネル調査」(2011年)についてです。
同調査は
2006年に創業融資を受けた企業を対象としています。
その結果
創業融資を受けて5年経つと
存続:83.3%
廃業:15.2%
存続廃業不明:1.5%
となったようです。
創業融資をうけた場合の5年生存率が
高い理由としては
・自己資金と創業融資を合わせ
資金にゆとりができた。
・創業融資の際の審査要件として
事業経験、取引先の確保などの準備ができていた。
・はじめから休眠覚悟などではなく
継続企業として起業する意思があった。
など、さまざま考えられますが
この数字は
これから創業融資を受けたいと思う人にとっては
希望がもてるものだと思います。
起業後の5年生存率が高くなる要因としては
・開廃業、廃業率の低い国、業種で起業
・創業時に融資を受ける
といったことがあげられそうです。
もっとも、統計はしょせん、統計です。
日本の不動産業で創業融資を受けても
1年で廃業する方は、廃業したりします。
統計はあくまで参考としながら
自己資金や経験値、得意先からの信頼を高め
強い意志をもって起業すれば
どの国でもどんな業種でも生存率は伸びると思います。
このコラムは
あくまで参考データの一つとしてください。