法人の税務調査の確率は
昭和43年は15%台だったのに対し
平成25年は3%台となっています。
ときどき
税務調査を恐れているといった
ことを口にする方がいますが
税務調査の確率そのものは
低いのが実態です。
その背景には
昭和の後半になり
申告件数が増加したことで
税務職員の業務が増え
調査まで手が回らなくなったことや
平成21年度以降
法定調書に関する制度の創設や拡充が相次ぎ
実際に調査に行くより
資料収集による簡易な接触が増えたこと
などが考えられます。
つまり、税務調査の確率が低いのは
申告件数や法定資料の増加によるものと
言えそうです。
ただし、税務調査の確率が低いと言っても
国税当局の情報収集力が落ちたわけではありません。
むしろ、当局の情報収集力は増えていると
考えていいでしょう。
こうした傾向は現場の税務職員にとっても
いいことだと思います。
税務調査は来られるほうも嫌なものですが
行くほうも嫌なものです。
他人の帳簿の欠点を正し
修正申告をすすめるのは
一見、正義にかなっているようですが
調査官は常にアウェーで
プレーするプレッシャーと戦っています。
本業に割く時間を調査に協力させ
欠点を正してゆくときの
納税者の視線は
冷たいことが多く
調査官のストレスとなりがちです。
国税当局としても
本来は資料にもとづく簡易な接触で
自主的に納税してもらいたいのが本音でしょう。
当局としても
税務職員をアウェーで戦わせたくないと思います。
税務調査の確率の低下の要因のひとつには
そんな当局の事情もあるのかもしれません。