小さな会社には
経営計画における予実管理は
必ずしも必要ではありませんが
予実管理をすると
さまざまなメリットがあります。
目次
・小さな会社の予実管理
・小さな会社の予実管理の7つのメリット
・予実管理のメリットまとめ
予実管理とは
予算と実績の違いを確認し
対策を立てるものです。
経営計画のなかの予算と
試算表の実績を照合し
毎月、検討するのが
一般的です。
予実管理が必要な
小さな会社とは
正社員10名を超えたあたり
が妥当でしょう。
昔、ある正社員8名くらいの
会社の社長さんからは
「10名までなら
自分の目が届くから
経営計画まで必要ない。」
と言われたことを思い出します。
小さな会社の予実管理とは
社長の感性だけでは
会社のお金や社員の
コントロールができなくなるときに
必要となります。
その際の障害としては
・経営計画の作成が小難しい
・社員がついてこない
・毎月の試算表の作成が面倒
など、様々なものがあります。
しかし
社長が本気で会社をよくしようとし
社員にも会社の問題点を
改善しようとする気があると
小さな会社でも
予実管理は効果を発揮します。
小さな会社が
予実管理をするメリットについて
7つあげてみます。
毎月、収支予測をし
実績との対比をとってゆくと
無駄な支出は減ってゆきます。
収支予測を立てなくても
毎月、帳簿の整理をしているだけでも
無駄な支出は減ってゆきます。
定期的に数字の管理をすることで
どこまでお金が使えるのかが
はっきりし、無駄な支出を
コントロールできるからです。
それでも売上が極端に落ちたり
借入が多いと資金繰りは厳しいですが
予実管理のメリットは
数字への管理を徹底することで
資金繰りの改善に資する点です。
予実管理のメリットとして
節税もできます。
納税予測をしながら
予算と実績の対比をとって
ゆくことで
お金があまりそうな場合
小規模共済や倒産防
翌期の役員報酬の増加など
さまざまな節税手段が検討できます。
予実管理のメリットとして
何か問題があってもすぐに手を打てる点です。
当初の予想より
売上が落ち込んだ場合や
経費がかさんだ点など
会社の病状が出たら
予実管理により
速やかに手が打てます。
予算と実績の違いを
まめに測定しないと
会社の異変に気づけず
気づいたら資金ショートする
会社も珍しくありません。
予実管理をすると
会社の経営課題が明確になります。
予実管理を
半年~1年くらいすると
いつも同じような
議論をしていることに気づきます。
・新規開拓がなかなできない
・在庫の把握がなおざり
・従業員がすぐやめる
など
こうした課題は
感覚として理解できていても
予実管理により
数字で明確にすると
いっそう、腑に落ちる
ものとなります。
予実管理をしていると
経営課題への理解が深まる結果
課題を解決するための
情報収集や
情報の共有により
打ち手が明確になります。
予実管理には
経営課題を突き付けるので
一定の強迫観念が伴います。
こうした強迫観念にかられる
ことで危機感にせまられ
打ち手が明確になることがあります。
みんな仲のいい会社など
あるのでしょうか?
昔、ある社長は
「経営会議を通じ
仲のいい会社を作りたい」
と言っていました。
従業員が10人を超えると
社長と社員の間には
業務連絡だけという
ケースも少なくありません。
予実管理を通じて
単なる業務連絡以上の
経営課題の共有ができます。
会社の数字を社員に
公開することに抵抗の
ある社長さんには
無理は言いませんが
幹部クラス以外の社員も
常に会社の行く末等には
関心をもっています。
予実管理をするメリットとして
仕事のやり方の改善も
含まれます。
・生産性の高い仕事に時間を割いているか
・ベテランと新人で仕事の
やり方に大きなズレが生じていないか
・設備投資が有効に機能しているか
など
数値計画だけではなく
行動計画まで落とし込んで
予実管理をすると
仕事のやり方の改善の糸口が
見つかることがあります。
予実管理のメリットについて
まとめると
・数字(節税、資金繰り)
・人間関係(経営課題共有)
・やり方(打ち手、方法改善)
の3つを改善できる点です。
小さな会社が
予実管理をするのは
決して容易なことでは
ありませんし
予実管理をやってよかった
と思えるのにも
半年~1年はかかります。
予実管理のメリットが
実感できるには
一定の根気強さも必要です。