税理士事務所で勤務して15年
儲かる起業の片隅で
考えてきたことをまとめてみます。
目次
・今、どこが儲かっていますか?
・儲かる起業の2つの特徴
・儲かる起業の3つのメリット
・儲かる起業の3つのデメリット
・まとめ:儲かる起業の片隅で
決算が終わったあとの雑談で
経営者の方から、よくある質問に
「今、どこが儲かっていますか?」
といったことを聞かれます。
この質問の背景には
自分たちは、こんなに頑張っているのに
なかなか、儲からない。
せめて、儲かっている会社の話でも聞いて
少しは、前向きな気分になってみたい
といった思いもあるようです。
そんなわけで
これから、儲かる起業の特徴等について
考えてみます。
儲かる起業の特徴として
・市場にめぐまれていること
・光る人材がいること
の二つがあげられると思います。
市場にめぐまれていることというのは
・市場が成長していること
・市場が安定していること
などがあげられます。
昨今で言えば
ITや介護など、市場が成長している業種であれば
儲かるチャンスは、あると思います。
あるいは、建設業の一人親方が起業する際
安定した元請け先があれば
市場は安定していると言え
儲かるチャンスは、あると思います。
光る人材がいることというのは
・優れた技能をもっていること
・人柄がよかったり、根性があること
などがあげられます。
特殊洗浄など、優れた技能をもった人材がいれば
他社との差別化が図れ、儲かるチャンスがあると思います。
もし仮に、優れた技能がなくても
単純に人懐っこいだけでも、仕事が絶えない場合もありますし
何度か、起業に失敗しても、立ち上がるだけの根性があったことで
地域の名産品を育てあげた方もいます。
儲かる起業の3つのメリットとして
・儲かることで役員報酬が増え、モチベーションがあがる
・儲かることで採用や設備投資にお金を使いやすくなる
・儲かることで事業の信用力があがる
といったことがあげられます。
儲かることは、基本的に、いいことだと思います。
一方、儲かる起業によるデメリットもあります。
・儲かることで、税務調査も入りやすくなる
・儲かることで、税金や社会保険料も高くなる
・儲かることで、社員が増え、かえって、まとまりが悪くなる
といったこともあげられます。
儲かる事業という話題になるとき
多くの方が
他人と比べて儲かるかどうかを
問題としているように感じます。
税理士なら、いろんな業種の経営者と合っているだろうから
決算の際は、そうした話をしやすいのでしょう。
ただ、個人的に、儲かる事業ということで
思い起こすのは
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
に書かれているような
儲かることは、信仰と禁欲と勤労の結果であり
神の栄光にかなうことだといった内容です。
マックス・ウェーバーには、失礼かもしれませんが
当時のプロテスタントが目指したのは
儲かることによる自己実現だったと思います。
つまり、儲かることは
他人との比較だけではなく
自己実現も含まれると考えてもいいのではないでしょうか?
実際、儲かっている事業者の方のなかには
はじめから、儲けようとして起業したというより
自分のやりたいことをやろうとして起業している方もいます。
儲かる起業の片隅で
これから、起業される方には
ロマンを追ってほしいと思っています。