一人社長として会社を立ち上げてから
インボイスの登録をするかどうか、悩むかたは
珍しくありません。
そこで、そうした一人社長が抱くであろう
インボイスへの疑問を7つにまとめてみました。
目次
一人社長とインボイスの疑問①インボイスって?
一人社長がお客様に売上を立てた際
売上金額を書いた請求書を送ると思いますが
インボイスを発行するには
税務署等にインボイスの登録申請をし
登録番号や消費税率、消費税額等を従来の請求書に追加する必要があります。
インボイスがなぜ、必要なのかと言えば
消費税を正確に計算するためです。
たとえば、ある建設会社が
1100万円(うち消費税100万円)で工事を施主から請け負った場合の消費税の計算をしてみます。
その建設会社が外注で一人社長に550万(うち消費税50万円)の仕事を発注した場合
その建設会社の納める消費税は
(うち消費税100万円)-(うち消費税50万円)=50万円
となります。
この建設会社が消費税を正確に計算するには
一人社長の消費税の税率や税額(この場合税率10%、税額50万円)等
を記載した請求書、すなわち、インボイスが必要となります。
e-Taxによる提出の場合約1か月となっています。
e-Taxとは、電子申告のことです。
一人社長が税理士に依頼すれば、税理士が代理送信してくれます。
そのため、税理士のいる一人社長の場合
税理士に依頼してから、約1か月くらいをインボイスの登録の目安としてもいいでしょう。
消費税の申告義務が生じない場合があるかわりに
仕事を発注してくれる会社の消費税の負担が増えるおそれがあります。
もともと、年商1000万円以下の一人社長で
これまで、消費税の申告や納税をしてこなかった場合
インボイスの登録をしなければ、消費税の申告義務が生じません。
ただし、インボイスの登録をしなければ
先の建設会社の納める消費税は
(うち消費税100万円)-(うち消費税50万円)=50万円
から、(うち消費税50万円)が控除できなくなり
(うち消費税100万円)-0円=100万円
となり、仕事を発注してくれる建設会社の納める消費税が50万円も
増えてしまいます。
(もっとも、インボイス開始から6年は、経過措置もあるため
上記のような計算結果とはなりません。)
取引先に法人が多いか、個人が多いかにもよります。
建設業など、法人が多い場合
一人社長は、インボイスの登録を検討してもいいでしょう。
一方、学習塾や、美容院など
個人が多い場合、必ずしも、インボイスの登録は、必要ありません。
インボイスに登録したら
納税資金をためることをおすすめします。
インボイスに登録したら
消費税の納税とともに、軽減措置の検討も
必要となります。
新設法人の1年目から、消費税の申告がはじまります。
ただし、インボイス開始から3年は、2割特例などの軽減措置もあります。
考えづらいです。
インボイスに登録する際の登録手続の代行費用ですが
当事務所の場合、別途、請求はしていません。
また、一人社長の場合、インボイス開始にともなう
軽減措置の計算も簡便的なうえ、軽減措置の適用の機会の頻度も一定数あることから
インボイスにより税理士の事務負担が増したための
顧問料の値上げなども、当事務所では、行っていません。