創業融資のご相談を受けていると、
業界未経験だけど、
フランチャイズで副業として起業したい。
といったご相談をよく受けます。
一般的に、業界未経験の場合、
創業融資は厳しいです。
というのも、
日本政策金融公庫の
「創業の手引」でも、
創業前のチェックポイントとして
創業者の
創業しようとする事業の経験が
重視されているからです。
経験値があるということは、
その事業の技術・技能、
ノウハウがあることを意味し、
かつ、勤務先に培った
人脈や信用をもとに
創業後の受注先の確保に
つながると公庫は考えるためです。
要するに
その業界の経験値が多い方が、
創業後は軌道に乗りやすいと
評価されるのです。
しかし、
業界未経験で起業しても
まったく創業融資が受けられない
わけではありません。
「創業の手引」でも
未経験の分野での成功は
ハードルが高いとしつつ、
経験不足を補う方策が必要としています。
それでは、
経験不足を補う方策として
どんなことが考えられるのか?
いくつがあげてみると、
・業界経験の豊富な人をパートナーとする。
・契約書や発注書など、
受注の確実な資料をそろえる。
・自己資金を豊富に用意する。
・業界経験はなくても、
経営者としての能力をアピールする。
といったことが考えられます。
創業者が業界未経験でも
業界経験豊富な人を味方にできれば、
公庫は話を聞いてくれます。
ただし、その場合、
経験豊富な人がなぜ代表にならないか
など、
創業者との関係を説明することが
必要となります。
創業者に業界経験が不足していると
判断されると、その業界に
人脈があり、受注の見込みがあるか
疑問視されます。
そうした疑問を解消するため、
受注が確実だと判断できる
契約書などを用意するとよいでしょう。
業界未経験で起業し、
創業融資を受けようとすると、
審査のハードルが上がります。
なんとか融資のめどがついても
融資額が少なくなるおそれもあるため、
自己資金は豊富に用意したほうがいいでしょう。
また、自己資金を豊富に用意することで、
業界未経験で不測の事態が起こっても
対処が可能となります。
創業するまでに
どんな準備をしてきたのか。
過去に部下をもった経験や
役職といったものがあるのか。
業界は未経験でも
そうした経営者としての能力をアピールすると、
公庫としては、
創業者に経営能力を認めたうえで、
それを補う要素がないか
前向きに話を聞いてくれることもあります。
業界経験が豊富で起業する場合に比べ、
未経験だと、
それを補うための
自己資金の確保や
証拠資料の取りそろえ
説明の労力といったものが
重要となります。
こうしたハードルの高さを
自覚しつつ、
起業に踏み切るかどうかは、
一度、専門家と相談して
決めてもよいかもしれません。