会社設立の際に、
必ず考えなければならないことの一つに
資本金をいくらにするかということがあります。
お金があまりないので、
合同会社を資本金10万円~20万円で
設立してしまおうというかたもいますが、
こうした場合は、
すでに得意先が確保されていることが
重要となります。
得意先が確保され、
設立後すぐにまとまった売上が立つことで
資本金が少なくてもやっていけるのです。
会社設立直後に
得意先が開拓されていない場合、
資本金が少ないと、危険だと思います。
人件費や家賃、広告費などで
すぐにお金がなくってしまうからです。
それでは、いくら資本金があるといいのでしょうか?
資本金が500万円以下の会社は
約6割になります。
このことからも
過半数の会社は、資本金は500万円以下と言えるため、
500万円というのは、
ひとつの参考になると考えられます。
創業融資をうけたかたの
自己資金の平均は約300万円です。
かつての有限会社の最低資本金が
300万円だったことも思い起こすと、
300万円で資本金を設定するのも
いいかもしれません。
資本金をいくらにするか考えるうえで
こうした平均値を参考としつつ、
消費税や公庫の融資のことも
検討したいところです。
新たに設立した法人の場合、
資本金が1000万円以上だと、
消費税の納税義務が発生します。
資本金が1000万円未満なら
一定の要件に該当する場合を除き、
消費税の納税義務は免除されることから、
資本金の額を設定する際は、
1000万円を上限と考えていいでしょう。
また日本政策金融公庫の創業融資を受ける際は、
資本金はある程度、あったほうがいいです。
建前上、創業資金総額の1/10以上と言ってますが、
現実的には1/3~1/4くらいあったほうが
よいと思います。
資本金が少ないと、
公庫担当者の印象はよくないと感じます。
すぐに資金ショートして
お金を返せなくなると判断されるおそれがあるので、
できるかぎり資本金を確保して
300万円の融資を希望するなら
300万円の資本金を用意してもいいかもしれません。
おわりに
これまで会社設立に関与したなかで
もっとも多いのは、資本金300万円でした。
設立時に1000万円の資本金のある会社は、
ほとんど見たことがありません。
資本金が少なくても問題なさそうなのは、
得意先がすでに確保されており、
かつ、公庫からの融資などを受けなくても
やりくりできるといったケースかと思います。
こうしたケースに該当しない限り、
資本金は数百万円程度はあったほうが、
その後の運転資金等を考慮した場合、
安全と言えそうです。