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2019.10.12
税理士丸投げのすべて(やり方・メリット等)

税理士丸投げのすべて(やり方・メリット等)

決算や確定申告などを

税理士に丸投げしたい!!

そう思ったことはありませんか?

このコラムでは

10年以上の会計事務所の勤務経験に基づき

税理士丸投げについて

ご紹介します。

税理士丸投げとは

丸投げとは一般に

・まるまると仕事を請け負わせること

・仕事を人任せにすること

と理解されています。

税理士に丸投げする場合とは一般に

記帳や決算書・申告書の作成

年末調整や設立手続き

といった業務の代行を依頼すること

と理解されています。

税理士丸投げのやり方・具体例

税理士に丸投げの依頼をするには

顧問契約かスポット契約のいずれかをします。

顧問契約とは

税理士に月々の顧問料を支払う契約です。

スポット契約とは

決算などを依頼し、その都度業務が終るごとに

税理士報酬を支払う契約です。

スポット契約の場合、顧問料は発生しません。

税理士と契約して

丸投げがOKとなったら

必要に応じて

さまざまな資料を税理士に送ってしまえば

丸投げですから、完了です。

つまり

税理士に丸投げをするには

□税理士と契約する→□税理士に資料を送る

基本的にこの二つだけでOKです。

では、税理士に丸投げするにあたり

具体的にどんな資料を送ればいいのでしょうか?

税理士に丸投げにあたり

記帳代行と決算書の作成に必要と思われれる

資料をあげてみます。

税理士に丸投げにあたり記帳代行に必要な資料

税理士に丸投げにあたり記帳代行に必要な資料は

個人事業主や法人を問わず

・レシートなど

コンビ二やガソリンスタンドのレシート

鉄道の切符、切手の領収書など

・通帳のコピー

・賃金台帳

が基本です。

最近ではキャッシュレスが進んだため

カードの明細なども

丸投げしていいでしょう。

得意先への請求書なども丸投げされる方もいますが

その場合は

発生主義で経理することとなり

税理士報酬が割高になることもあります。

ただし

プライベートで

スポーツ用品を買った場合のレシートなどは

丸投げしても経費にならないので

ご注意ください。

税理士に丸投げにあたり決算書作成で必要な資料

税理士に丸投げにあたり

決算書作成に必要な資料は

・銀行預金の残高証明書

・在庫の集計表

・売上、仕入、外注の請求書・契約書

・車や機械といった固定資産の売買契約書

・借入や車のローンの返済表

・事務所家賃の賃貸借契約書

といったところかと思います。

税理士丸投げのメリット

税理士丸投げのメリットは

・とにかく楽

・本業に集中できる

・経理のミスが減る

といったところかと思います。

税理士丸投げのメリット①とにかく楽

税理士丸投げのメリットは

とにかく楽です。

丸投げは

レシート等を段ボールに入れておいて

確定申告の時期が来たら

税理士に送ればいいからです。

自分で記帳しようと思ったら

月に取引が100個ある場合

取引の年月日や経費か売上か

資産か負債かの分類

取引の金額や消費税の可否判定など

ひとつひとつ仕訳をし

パソコンに入力する必要が出てきます。

月に取引が100個ある場合

自分で記帳しようとすれば

30分~1時間半くらいはかかってしまいます。

本業の合間でこれだけの時間を記帳に使うのは

めんどくさいです。

税理士に丸投げすると

こうしためんどうくささから解放され

楽になります。

税理士丸投げのメリット②本業に集中できる

税理士に丸投げするメリットとして

本業に集中しやすくなります。

会社の規模にもよりますが

多くの中小企業の経営者は

現場で働いています。

税理士の業務である

会計・税務といったものは

現場での仕事を

後日、数字にして

税務署に報告するためのものであり

本業とは程遠いものです。

この会計・税務に必要以上に時間を取られるのは

中小企業の経営者にとっては

おもしろくないのです。

そのため、せっかく税理士がいるのだから

丸投げして本業に専念したいのです。

税理士への会計・税務の丸投げは

こうした要望に応えるものです。

税理士丸投げのメリット③経理のミスが減る

中小企業の経営者は

税務署から間違いを指摘されるのが嫌いです。

自分で会計・税務をやっていると

あとあと

税務署から間違いを指摘され

めんどうなことになると思うから

税理士に丸投げしているかたも多いと思います。

税法は毎年変わります。

それにともない

毎年、経理のしかたや

申告書の記載のしかたも変わってゆきます。

中小企業の経営者にとって

ただでさえ複雑な税法が

毎年の改正によりますます複雑になってゆくのですから

正しい決算書や申告書の作成は

ますます難しくなってゆきます。

税理士であれば

税制改正にも対応できます。

税法が毎年複雑になるなか

間違いを防ぐためにも

税理士に丸投げするのもいいかもしれません。

税理士丸投げのデメリット

上記で税理士丸投げのメリット

についてふれましたが

税理士丸投げもいいことばかりでは

ありません。

税理士丸投げのデメリットとしては

・税理士の顧問料が高くなる

・会社の経営がずさんになる

・政府へのチェックがゆるくなる

といったところだと思います。

税理士丸投げのデメリット①顧問料が高くなる

税理士に丸投げするということは

丸投げする側は楽ですが

税理士にとっては手間がかかります。

ということは

その分の手間賃が顧問料にも反映されます。

というのも

レシートなどをごちゃまぜで

税理士に丸投げした場合

まずはそのレシートなどを

取引の年月日ごとに整理する手間がかかります。

つぎにこれらを

パソコンに入力する手間がかかります。

さらに場合によってはこれらを

郵送で返却する手間もかかります。

税理士に丸投げすると

税理士に資料を送るだけですから

その処理に多くの手間がかかっている

という実感は持たれにくいものですが

実際は丸投げする側の想像の

3倍以上の手間がかかっていると言っていいでしょう。

そのため、税理士に丸投げすると

顧問料が高くなる傾向にあります。

税理士丸投げのデメリット②会社の経営がずさんになる

税理士に丸投げするのが

当たり前になると

会社によっては

経営がずさんとなるようです。

税理士に丸投げする場合

段ボールさえあれば

書類を詰め込んで送るだけだと思うと

自分の会社の売上がいくらで

資金繰りの状況がどうで

といったことに無関心になりがちです。

こうなると

よくありがちなのは

税金や社会保険料の滞納と差押えです。

税理士に丸投げしておけば

なんとかなるだろうと思い

お金の管理をずさんにしていると

税金や社会保険料の支払いまで

気が回らずに

いつのまにか

税務署や市役所から督促がきたりします。

税理士に丸投げするのも結構ですが

それが甘えになると

会社経営にペナルティーが

課されることもあるのでご注意ください。

税理士丸投げのデメリット③政府へのチェックがゆるくなる

税理士に丸投げしてしまうと

税務は

税理士と税務署と

保険屋などの一部の業界団体の

専売特許といった感じになります。

そうなると

税金はお上が決めたものを支払うだけ

という感覚が強くなってしまいます。

こうした感覚は

中世のそれに近いです。

中世では王様が庶民に

これだけの税金を払えと命令していました。

しかし

これだと王様は好き勝手できますが

庶民の暮らしはよくなりません。

そこで

庶民から代表を選び

議会で税金の使い道を決めるようになったのが

現代の民主主義です。

現代の日本では

法人税であれ、所得税であれ

納税者が自分で計算し

税務署に申告して納税するのが

建前となっています。

そうした税金を

自分たちの暮らしに役立ててもらうには

納税者として

税金に一定の関心を持つことが必要です。

税理士に丸投げするのはたしかに楽ですが

その結果、税金への関心が薄れると

政府への国民のチェックがゆるくなり

中世のように

王様の暴走を招いてしまいかねません。

税理士丸投げに向いている事業主の特徴

税理士丸投げに向いている事業主の特徴としては

・個人事業主

・小さい会社

・本業に集中したい事業主

・創業期の事業主

・経理がいない事業主

といったところだと思います。

税理士丸投げに向いていない事業主の特徴

税理士丸投げに向いていない事業主の特徴としては

一言で言うと

ある程度の規模の会社です。

ある程度の規模の会社であれば

動かすお金も

億単位が当たりまえとなり

取引の量も莫大となり

会社自身で数字の管理もせざるを得なくなります。

もっとも

小さな会社でも

・自分で数字の管理をしっかりやりたい

・税理士の顧問料を抑えたい

・経理に詳しい人がいる

・経理にさく時間的ゆとりがある

といった場合は

税理士に丸投げしないほうが

いいかもしれません。

おわりに・今だ人気の税理士丸投げ

5年ほど前のオックスフォード大学の論文では

人工知能の発達で

今後、消える職業として

税理士丸投げを請け負う

会計事務員がリストアップされていましたが

税理士丸投げは

今だ人気は根強いと感じます。

創業時から

クラウド会計で経理を楽にするくらいなら

いっそ、税理士に丸投げしてみようと

考えるかたも多いです。

クラウド会計の利便性を否定するつもりはありません。

預金データと連携すれば

いつでもリアルタイムで数字が見えるから

優れものです。

ところが

経理のいない小さな会社では

リアルタイムでのだいたいの損得勘定は

社長の第五感でわかってしまいます。

そうなると

リアルタイムなクラウド会計より

1年の終わりに

間違いなく税金の処理をしてくれる

税理士に丸投げのほうが

便利だと感じられたりします。

税理士に丸投げも

いいことばかりではありませんし

なんだかんだで

クラウド会計のほうがトレンドかもしれませんが

今だに人気があることは

知っていただきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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