会社を設立したら
合同会社であれ
株式会社であれ
役員報酬を支給しなければなりません。
このコラムでは
会社設立の際の
役員報酬設定のポイントについて
簡単にふれてみたいと思います。
会社設立の際の役員報酬設定のポイント①年末調整
会社設立の際に役員報酬の設定をし
12月までの給与の支払い額が確定したら
多くの方が年末調整をすることとなります。
年末調整とは
役員報酬から徴収される源泉所得税の
精算手続きです。
源泉所得税の額は国税庁の
源泉所得税の税額表に基づき徴収しますが
この税額表通り徴収すると
だいたい多めに徴収されます。
この税額表には
個々人の生命保険料控除や
住宅ローン控除などは反映されていないからです。
年末調整ではこうした各種控除を
年末に行い
源泉所得税の清算をする手続きです。
役員報酬の設定と
源泉所得税の徴収・清算はワンセットなので
会社設立の際は年末調整も
スケジュールに組み込んでおきましょう。
会社設立の際の役員報酬の設定のポイント②確定申告
会社設立の際に役員報酬の設定をしたら
確定申告の有無の確認が必要です。
基本的に
個人事業主が法人成りした際には
事業所得と役員報酬の給与所得の
確定申告が必要となります。
また
会社に不動産を貸し付け
収入がある場合も
不動産所得と役員報酬の給与所得の
確定申告が必要となります。
会社設立の際の役員報酬の設定のポイント③社会保険料
会社設立の際に役員報酬の設定をする場合
源泉所得税の徴収とほぼ同時に
社会保険料の徴収と納付もはじまります。
社会保険料の負担は
会社設立の際に軽いものではありません。
会社設立の際に役員報酬の設定をする場合
役員報酬の金額と社会保険料の金額は
概算でもいいので見積もっておくといいでしょう。
会社設立の際の役員報酬の設定のポイント④借入
会社設立の際に役員報酬を設定する際
気をつけたいのは
創業融資などの借入がある場合です。
会社設立の際の借入は
会社が役員から借りたものと
会社が日本政策金融公庫などから借りたものの
二つに大別されることが多いです。
これら借入の返済財源となるのが
役員報酬や減価償却費を引く前の利益です。
利益から役員報酬を目いっぱいとると
借入の返済財源がなくなるのでご注意ください。
会社設立の際の役員報酬の設定のポイント⑤法人税
会社設立の際に役員報酬を設定する際
まず会社の予想利益を見積もるといいでしょう。
予想利益を見積もる際は
社会保険料や借入があった場合の返済額なども
考慮します。
それらをふまえ役員報酬を目いっぱいとると
法人税の負担は極力抑えられます。
ただし、役員報酬が多いと
法人税の負担が抑えられる代わりに
所得税の負担が増えるのでご注意ください。
会社設立の際の役員報酬の設定のポイント⑥役員賞与
会社設立の際に役員報酬を設定する場合
基本的に一年間は定額です。
一年間は定額というのには
理由があります。
役員賞与は基本的に
会社の経費にならないからです。
役員は自分で自分の給与を決められます。
役員賞与が安易に経費となると
簡単に利益調整ができるため
会社設立の際の役員報酬には
夏のボーナスや決算賞与といった
発想は持ち込まないほうが無難です。
会社設立の際の役員報酬の設定のポイント⑦各種届出
会社設立の際に役員報酬を支給する場合
給与支払事務所の開設の届出を
税務署に提出することなります。
給与の支給人員が10人未満であった場合は
源泉所得税の納期の特例承認申請書を
税務署に提出することもあります。
会社設立の際に役員報酬を設定する際は
こうした各種届出も必要となるので
ご注意ください。
会社設立の際に役員報酬を支給しないとどうなる?
これまでは
会社設立の際に役員報酬を設定する際の
留意点について書いてきましたが
会社設立の際に役員報酬を設定しない場合は
どうなるのでしょうか?
役員報酬を設定しない場合でも
会社からはお金は引き出せます。
代表的なのは
会社が役員へお金を貸し付けたかたちにすることです。
ただし、この場合
貸付金は資産であり
会社の経費とならないため
法人税がその分だけ出る可能性があります。
また
会社の経費とならない分
利益は水増しされたかたちとなり
見方によっては粉飾決算ととらえられ
金融機関の印象は悪くなります。
まとめ:役員報酬の設定は事業年度終了後に見直しを
会社設立の際に役員報酬を支給する場合
設定前に会社の予想利益や
社会保険料の金額などの見積
設定後の各種手続きなどを経たほうが
よいと思いますが
必要以上に考えすぎても仕方ありません。
想定外が起きるのは当たり前なので
ある程度、考えたら
役員報酬の支給を開始し
事業年度終了後3月以内に見直しましょう。
役員報酬の適正額は
設定から1年経てば自ずと見えてきます。
会社設立の際の役員報酬の設定では
必要以上に考え込まないことも大切です。