皆さんは、「決算」という言葉を目にしたとき
どんなことを思い浮かべるでしょうか?
「決算」という言葉は
会計用語であり
やや耳慣れないものですが
ときどき、家電量販店などに行くと
「決算○○セール」という広告が出されたりしています。
この決算とは
一般的には、財務諸表を作成し
税務申告を行うことを意味します。
「決算○○セール」という広告を出して
商品の大売り出しをすることにも
財務諸表や税務申告が関係しています。
商品を売ると
仕入れた商品の在庫が減ります。
そして、仕入れた商品と在庫の差額は
売上原価として、損益計算書に計上され
残った在庫は、貸借対照表に翌期以降も計上され
その期の最終的な財務諸表が完成します。
この財務諸表をもとに
会社は、税務申告をします。
要するに
日常生活でときどき目にする
「決算○○セール」という宣伝コピーにも
財務諸表や税務申告といったものが
関係しているのです。
この「決算」ですが
ときどき、「忙しい」という
イメージがもたれるようです。
「決算」は、なぜ「忙しい」のか?
理由は、ふたつ、あると思います。
ひとつは
会社側の事情。
もう一つは
会計事務所側の事情。
個人的な感覚ですが
「決算」で「忙しい」という
会社は、従業員が50名を超えるような
地元のちょっとした大きな会社かと思います。
そのような会社だと
在庫の集計や
経費書類の整理などで
決算だけで一月以上の時間がとられることは
ざらだと思います。
会社設立したばかりで
在庫もほとんどないような会社の場合
毎月の通帳のデータの保管や
給与明細や売上台帳の整理等ができていれば
「決算」で「忙しい」ということは
ほとんどないと感じます。
「決算」で「忙しい」のは
むしろ、会計事務所側のほうだと思います。
多くの会社は
「決算」の際、通帳などを会計事務所に預け
会計事務所とやり取りをしています。
この会計事務所側では
会社ごとに決算期が自由に選べるので
毎月、会社の決算を処理しています。
そうなると
多い月には、一人の担当者で
決算を5件、6件と掛け持ちすることもあります。
また
所得税の確定申告や
年末調整、創業融資のサポートなどと
掛け持ちしながら
ひとつの会社の決算を処理することもあるため
ひとつひとつの会社の決算の規模が小さくても
「決算」は、「忙しい」ということになります。
「決算」という言葉は
なんとなく耳にしたことがあっても
実際に、財務諸表や税務申告を行わないと
今一つ、ピンとこないものだと思います。
そして
「決算」がなぜ「忙しい」のかも
実際に、決算の際に
商品の在庫を数えたり
複数の仕事を掛け持ちしないと、実感できません。
このコラムが
そうした「決算」の裏側への
ささやかなご理解につながれば、幸いです。