予実管理とは
予算と実績のズレを解決するものです。
創業計画書や経営計画書は
つくったことはあっても
その後の予実管理まではちょっと・・・
という方に読んでほしいコラムです。
目次
・予実管理の位置づけ
・予実管理の3つのポイント
・予実管理のさまざまなやり方
・予実管理の3つのメリット
・一人社長でも予実管理は必要か
・予実管理を簡単にする税理士丸投げ
予実管理とは
経営計画を立てたあとに
予算と実績のズレを解決するものです。
経営計画を立てた後に
予定通り売上があがらない場合
予算と実績との間にズレが生じます。
ズレはなぜ生じたのか?
予算と実績のズレをどう解消するのかを
分析し、今後の手立てを考えることが
予実管理の醍醐味です。
予実管理の位置づけとしては
PDCAサイクルのうちのCのチェックにあたります。
プランをたて実行したあとには
必ず予算と実績のズレが生まれます。
こうした予算と実績のズレを予実管理により
解消してゆくことが重要です。
予実管理の例としてダイエットなどが
わかりやすいでしょう。
やせるためには目標を設定します。
そしてやせるための努力をします。
その後、体重計で体重を図るのは
経営で言えば試算表で実績を見るのと同じです。
自分の実績が目標通りやせているかどうか
管理してゆくことでダイエットの効果が
出てくるように
経営も実績と予算のズレを予実管理で
確認してゆくことで
少しずつですが目標に近づいてゆきます。
予実管理のポイントは
3つあります。
ひとつは、シンプルにすること
ひとつは、スピードをもつこと
ひとつは、習慣づけることです。
予実管理のポイントは
シンプルにすることです。
予実管理というと
ともすると下記のような表を
思い浮かべるかもしれません。
○○年○○月
実績 予算
売上高 40000 45000
仕入高 30000 35000
販売費 5000 6000
減価償却費 200 300
租税公課 500 700
旅費交通費 100 200
しかしこうした損益による
予実管理よりももっとシンプルでも構わないのです。
目標契約件数なら予定では今月○○
実績は今月○○と
月毎にエクセルでまとめておくだけでも
予実管理として機能します。
予実管理のポイントとしては
スピードが重要です。
毎月1回くらいの頻度で
予算と実績を管理するには
毎月、試算表をチェックする必要があります。
このくらいのスピードで
予実管理をしていると
何か問題が起きてもすぐに対処しやすくなります。
予実管理をするには
試算表を毎月作ったり
予算と実績のズレを分析したりするので
けっこうめんどうです。
こうしためんどうくささが
多くの中小企業で
予実管理の壁となっています。
予実管理を習慣化するには
目標を達成したいという強い意志と
毎月、地道に数字をチェックするといった
真面目さが必要です。
自分で予実管理をするのがめんどうな場合は
税理士に手伝ってもらうのも一つの手です。
予実管理といっても
やりかたはさまざまです。
その一旦をご紹介すると
・売上の月別の予算と実績の対比
・販管費の月別の予算と実績の対比
・契約数の月別の予算と実績の対比
・利益計画の月別の予算と実績の対比
・商品ごとの月別の予算と実績の対比
・お客様ごとの月別の予算と実績の対比
・担当者ごとの月別の予算と実績の対比
・チームごとの月別の予算と実績の対比
とさまざまですが
予実管理はおしなべて
項目ごとに
売上 実績 予算
当月
○○チーム 実績 予算
当月
といったフォーマットに
落とし込んでゆくだけなので
エクセルなどで
自由にフォーマットをつくるだけです。
予実管理はこうした表を作ることは
簡単ですが
予実管理の前提である
帳簿のタイムリーな作成や
根気強さが大きな壁となっています。
予実管理はたしかにめんどうですが
メリットもあります。
予実管理のメリットとしては
・資金繰りが安定する
・節税になる
・問題にすぐ手を打てる
といったところだと思います。
予実管理ができると
毎月の収支予測が容易になり
無駄遣いはなくなってゆきます。
予実管理ができることで
毎月の試算表を作成し
お金の管理が行き届くことで
資金繰りは安定します。
予実管理ができると
納税予測も容易になります。
その結果
決算を前にしてさまざまな節税のプランも立てられます。
税金が無駄に出るのは
多くの場合
帳簿の整理が決算ギリギリで
お金の動きがはっきりしないからです。
本来は経費にできそうなものも
お金の動きがはっきりしないと経費にできません。
予実管理は帳簿のタイムリーな作成を
前提としている分
節税にも効果を発揮します。
予実管理のメリットとして
問題にすぐ手を打てる点があげられます。
予実管理をしないで
お金をルーズに使っていると
突然、社会保険料が差しさえられ
資金繰りに困ってしまうといった
事態にもなりかねません。
お金をきちんと管理して
予実管理していれば
急に有力な得意先を失っても
問題にタイムリーに手が打てます。
予実管理は
法律で強制されているわけではないので
社会保険の加入のように
会社を作って社長一人でもやらなければならない
というわけではありません。
ただ
予実管理をできるくらいまで
帳簿やお金の管理ができていると
税理士の立場からは
一人社長でも節税のアドバイスなどが
しやすくなります。
予実管理が切実に必要なのは
従業員がたくさんいる大きな会社ですが
一人社長でも予実管理することで
健全な経営に資することが可能です。
予実管理を簡単にするには
クラウド会計を使って入力の手間を省いたり
経理を税理士に丸投げして
試算表の早期提出を求めるなど
予実管理の前提となる
帳簿の作成をスムーズに行うことが大切です。
経理を税理士に丸投げするというとき
確定申告に間に合いそうにない人が
すべりこみで税理士に丸投げするのを
思い浮かべるかもしれませんが
それだけではありません。
税理士に丸投げできるのは
毎月の帳簿の整理も含まれます。
こうした丸投げにより
浮いた時間を予実管理にあてることで
業務のチェックは促進されます。