会社設立1期目の
役員報酬に関し
よくある質問に答えることを
目的としたコラムです。
1期目の役員報酬に関し
よくある質問を
7つほどあげみました。
目次
・1期目の役員報酬は、いつまでに決定したらいいですか?
・1期目の役員報酬は、支払い過ぎたらどうなりますか?
・1期目の役員報酬は、少なすぎたらどうなりますか?
・1期目の役員報酬には、どんな手続きが必要ですか?
・1期目の役員報酬が、0だとどうなりますか?
・1期目の役員報酬と確定申告の関連は?
・1期目の役員報酬の額を決める物差しは?
1期目の役員報酬は
事業年度開始の日から
3か月以内に決めるのが
一般的です。
しかし
1期目の役員報酬を
決めるのであれば
会社設立の直前くらいから
検討をはじめても
いいでしょう。
というのも
1期目の役員報酬は
会社の利益や
社会保険料の負担額の予想といった
不確定な要因も考慮し
慎重に決める必要が
あるからです。
1期目の役員報酬を
高めに設定する。
あるいは
1期目の会社の業績が
予想外に下回った。
などの理由で
結果的に役員報酬を
支払い過ぎると
会社が赤字に
なる可能性があります。
また
役員報酬の額にも
よりますが
役員報酬にかかる
所得税、住民税、社会保険料
などの負担が
重くなる可能性があります。
期の途中で
こうした事態になると
会社の資金が不足した場合
役員から会社に
お金を貸し付けるという
ことも必要になってきます。
さらに
過度な役員報酬の支払いにより
消費税の特定期間の課税売上高の特例
にひっかかり
設立2期目から
消費税がかかる可能性もあります。
1期目に限らず
役員報酬の過度な支払いは
会社経営の
安定を損なうものと
考えられます。
1期目の役員報酬が
少なすぎると
会社が黒字になり
法人税などが
重くなる可能性があります。
また
役員報酬が少なすぎると
会社に黒字が出るため
融資の際に
役員がどうやって
生活しているかなどが
問われ
審査が慎重になる
可能性もあります。
1期目の役員報酬を
支給する際
税務署には
・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
を出すことになります。
社員10人未満の場合は
・源泉所得税の納期の特例に関する申請書
を税務署に出し
毎月納付する源泉所得税を
半年に一回、納付することで
事務負担の軽減を図ることができます。
法人成りした場合などでは
予定納税の減額承認申請を
税務署にすることで
個人事業主のときの所得を
もとに計算される予定納税を
減額することもできます。
法人成りする際は
市町村に
個人住民税の
特別徴収の切替をすることも
必要です。
1期目の役員報酬の決定の際
社会保険の加入条件を満たせば
「新規適用届」を
年金事務所に提出する
必要があります。
1期目の役員報酬が
0の場合
社会保険の加入要件は
満たしませんが
会社に黒字が出て
法人税などが
たくさん出る可能性が
あります。
また
1期目の役員報酬が0の場合
貯金を取り崩して
生活していたかなど
市町村に所得の状況の
説明を書面で
求められることもあります。
1期目の役員報酬が0の場合
生活費をどう工面しているのか
説明をできるように
しておくことが大切です。
1期目の役員報酬と
確定申告の関連ですが
多くの会社では
自社の役員報酬のみが
個人の収入である場合
年末調整で
課税関係は完結します。
2か所給与や
不動産所得
法人成りの際の
事業所得などが
ある場合には
1期目でも
確定申告を検討したほうが
いいでしょう。
1期目の役員報酬を
決める際は
会社の過去の実績が
ないため
予想に頼らざるを得ない
側面がありますが
会社の支払能力や
役員の生活水準を
もとに
1期目の役員報酬を
見積もることは可能です。
会社設立の際に
資本金を払い込みますが
この資本金を元手に
会社が黒字化するまでの
支払能力を
見積もってもいいでしょう。
資本金700万円で
半年後に
会社が黒字化し
月々の役員報酬を引く前の利益が
50万円だとすれば
1期目の役員報酬は
月々30万円くらいでも
いいかもしれません。
1期目の役員報酬を
決める際は
生活水準も大事かと思います。
単身者で
自宅を本店所在地とする場合など
家賃が発生しないため
役員報酬を
生活最低限度の範囲で設定しても
いいでしょうし
その逆に
育ち盛りのお子さんがたくさいて
生活費がかかる場合などは
役員報酬をある一定の額まで
引き上げておく必要もあるでしょう。