会社の決算で計算した利益のわりに
思ったより法人税がたくさん出たという
経験のある方もいると思います。
会社の決算の利益と
税務の課税所得は、似て非なるものです。
法人税法上の課税所得は、基本的には
会社の1年の決算の利益に相当しますが
決算の利益がそのまま
税務の課税所得となることは、まれです。
というのも
会社の決算で確定する利益とは
会社の財政状態や経営成績を正しく認識するために
計算したものであるのにたいし
法人税法上の課税所得は
課税の公平性や産業政策上の目的等を取り入れて
計算しているためです。
そのため、法人税法では
会社の決算の利益に調整を加え
税務の課税所得を算出するようにしています。
税務の調整とは会社の決算の利益に
減算したり、加算したりします。
こうした税務の調整に基づく計算を
納税者の代理として行っているのが
税理士です。
会計ソフトの普及によって
会社を設立したら
誰でもある程度の決算の利益を
計算しやすくなりました。
とりわけ、社長一人のマイクロ法人の場合
決算にいたるまで
会計帳簿を作るボリュームが少ないことなどから
決算の利益は、簡単に出せるはずです。
ところが
税務の利益は、決算の利益と計算の趣旨が異なることから
その計算にあたり、税務に対し、一定の理解が必要です。
法人の税理士の関与割合が約9割といわれているのも
こうした計算の趣旨に違いがあり
税務の利益の計算にあたり
専門的な知識が必要とされているからだと思われます。
これから会社設立する方あるいは
税務調査を受けたが、税理士が関与していない方などは
こうした計算の趣旨の違いもふまえ
税理士を探してみては
いかがでしょうか?