2019年10月1日の消費税増税にともない
キャッシュレス消費者還元事業がはじまっています。
キャッシュレス消費者還元事業とは
消費税率引上げ後の9カ月間に限り
中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を
使ったポイント還元を支援する事業です。
具体的には
当該事業のマークのついたお店で
電子マネーやプリペイドカードなどを使うと
最大5%のポイントが還元されるというものですが
このキャッシュレス消費者還元事業は
消費増税後の消費の落ち込みを
抑えるという目的にとどまらないようです。
政府の未来投資戦略2018には
Fintech/キャッシュレス社会の実現のひとつとして
2027年までにキャッシュレスの比率を
現状の2割から4割程度に
引き上げることを目標としています。
その理由としては
・現金支払いのコストを維持するのに
年間1兆円もかかっている
・世界各国のキャッシュレスの比率が
4割~6割にのぼる
ことなどがあげられます。
キャッシュレスの比率を高めることは
・現金処理にさく時間を縮めることで
事業主の生産性を高める
・消費者の支払いの利便性の向上につながる
と政府は考えているのです。
来年の東京オリンピックで
訪日外国人の支払いの利便性の向上も視野に
キャッシュレス化の対応の強化は
5年前から着々と行われてきたこともあり
キャッシュレスは成長戦略の柱の一つと
呼べるかもしれません。
政府のこれまでのキャッシュレス化の取組みを
振り返ると
安定した政権のもとで
オリンピックまで開催され
非常にラッキーだったのかもしれません。
成長戦略が実行しやすい環境のもと
訪日外国人が決済しやすいように
さまざまな知恵を出し合う
時間にめぐまれたと言えるでしょう。
そこに消費増税が重なり
キャッシュレスポイント還元をうたうことで
政府の成長戦略が国民に
浸透しやすくなったことを考えると
キャッシュレス消費者還元事業は
たんなるバラマキとは次元が異なるのでは
ないでしょうか?
政府の成長戦略を手放しで
ほめるつもりはありませんが
それが中長期的な計画にもとづくものであり
場当たり的なバラマキでないのなら
キャッシュレス消費者還元事業は
意義のある事業と言えるでしょう。