法人の保険契約を使った
過度な節税に待ったを課税庁がかけたのは
2019年2月13日のことでした。
翌日がバレンタインデーでした。
チョコレートが売れるのとは反対に
保険会社は節税保険の販売を停止したことから
バレンタイン・ショックとも言われています。
新通達は令和元年7月8日
(解約返戻金のない短期払の定期保険
または第三分野保険は令和元年10月8日)
以後の契約に適用されることとなりました。
今後新たに契約する生命保険は
商品別ではなく、最高解約返戻率で
損金算入割合が決定されます。
新しい通達に基づく
保険料支払時の経理処理は
最高解約返戻率や資産計上期間などを
考慮して決めるため
なかなか複雑なものですが
わかりやすいのは
「短期払いのがん保険等」の取扱かもしれません。
従来はこれらの保険商品が全額損金算入だったのに
令和元年10月8日以後の契約分からは
年間30万円までしか損金算入は認められなくなりました。
今回の通達改正の影響として
過度に節税を意識した
保険加入が減る可能性があります。
税務調査においても
保険契約の内容について
問われる機会が増えるかもしれません。
新しく保険契約する場合
従来以上に慎重に
経理処理を確認してゆく必要があると言えます。
今回の通達改正は
マスコミではそれほど騒がれていませんが
保険業界や会計業界では
大きなニュースだったと思います。
それほどのインパクトのある通達の改正ですが
通達の怖いところは
その性格が密室な点です。
通達は法律ではないため
国会を通さずに改正できます。
そうなると
課税庁の一部と業界団体の意見だけで
いつでも税制改正ができてしまいます。
それだけに保険税務など
今後、いつ、通達の改正が起きるかは
誰もチェックできないのです。
こうした密室で行われる通達改正があるだけに
過度な節税商品はいつ待ったがかかるか
誰もわかりません。
節税を考えるのであれば
やはり専門家と相談するようにしたほうがいいでしょう。