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2019.11.19
年末調整の電子化についてのエトセトラ

年末調整の電子化についてのエトセトラ

国税庁によると

令和2年から年末調整の電子化が

本格的になるようです。

目次

・そもそも年末調整とは

・スマート税務行政と年末調整電子化

・年末調整電子化のスケジュール

・電子化前の年末調整

・電子化後の年末調整

・年末調整電子化のメリット

・年末調整電子化の影響

・そもそも年末調整とは

そもそも年末調整とは

1年間の給与総額が確定する年末に

その年に納めるべき税額を正しく計算し

それまでに徴収した税額との過不足額を求め

その差額を徴収又は還付し精算する手続です。

要するにサラリーマンが

年末に還付金をもらえたりするあの制度です。

年末調整と確定申告を

同じようなものだと思う方がいますが

年末調整は給与所得者を対象としているのに対し

確定申告はすべての所得を対象としている点は違います。

 

・スマート税務行政と年末調整電子化

年末調整の電子化といっても

他の多くの施策と連動しています。

国税庁が平成29年6月に発表した

「税務行政の将来像~スマート化をめざして~」

の2本柱のうち

「スムーズ・スピーディー化」のひとつとして

年末調整の電子化も行われる予定です。

年末調整の電子化は紙を使わない分

書類を手書きする時間を短縮します。

この流れのもとでは

税務相談もAIが行い

適切な回答を提供し相談時間の短縮が期待されるなど

効率よく税務を執行しようとする

課税庁の意図が強く感じられます。

・年末調整電子化のスケジュール

年末調整の電子化は

令和2年10月に国税庁から無料提供される

年末調整控除申告書作成ソフトウェアを

ダウンロードしてからとなります。

令和2年10月以前にできることとして

年末調整の電子化にあたり

従業員等への周知が必要となります。

・電子化前の年末調整

電子化前の年末調整は

①給与等の支払を受ける方が

保険会社等から、控除証明書等をハガキ等で受け取り

その記載内容を保険料控除申告書等に転記の上

控除額を計算する。

②配偶者控除等申告書など

年末調整の際に作成する各種申告書を作成する。

③①②を勤務先において集計し、年税額を計算

という流れで進められていました。

もっとも

実際、この通りできる会社もある一方

会計事務所側で

年末調整に必要な書類一覧というお知らせを作成し

控除証明書等の有無を丁寧に確認することで

年末調整を行う会社もあるのも事実です。

・電子化後の年末調整

年末調整の電子化後は

①給与等の支払いを受ける方が

保険会社等から控除証明書等を電子データで受領

②電子データを年末調整控除申告書作成用ソフトウェアにインポート

控除額が自動計算された年末調整申告書データを勤務先に提供

③勤務先において、のデータを給与システム等にインポートして年税額を計算

という流れとなります。

要するにハガキ等の紙が

電子データに置き換えられるということです。

・年末調整電子化のメリット

国税庁のHPから年末調整電子化のメリットを要約すると

従業員

・書類を手書きする手間が省ける

・電子だと証明書の再発行の手間が省ける

勤務先

・控除額の検算などが不要になる

・書類の保管の手間が省ける

と、いろんな手間が省けるようです。

・年末調整電子化の影響

年末調整の電子化ですが

従業員が少ないところでは

従来通り、紙で処理していたとしても

とくに変わりないでしょう。

最近では小さな会社でも

給与計算でクラウドソフトを使うことを

検討するところもあるようですが

電子化のメリットは

手間を省くことである以上

省くだけの手間が存在することが、前提です。

もっとも、将来的には電子化の流れは

規模の大小を問わず、進んでゆくものと思われます。

とりあえず紙でよしとするか

現在の手間を考えて電子化に切り替えるか

将来的に徐々に電子化に切り替えるか

令和2年からの年末調整電子化では

様々な思惑が交錯することでしょう。

 

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